「移行医療」って何?
1.「移行医療」って何?
子どもから大人になる時に、主治医が子どもの専門の先生(小児循環器医)から大人の専門の先生(循環器内科医)に変わることを「移行医療」といいます。
大人になれば大人の病気にかかることもあるので、大人になっても小児科の先生に診てもらうのではなく(小児科の先生はあくまで子どもの病気の専門家なので)大人の専門の先生に診てもらったほうがよいことがあります。
ただし、先天性心疾患はたくさんの病気があり、病気によっては循環器内科の先生でも十分に対応できますし、循環器内科の先生のほうが得意なこともあったりしますが、複雑な病気の場合は小児循環器科の先生に、引き続きみてもらったほうがいい場合もあります。
子どもから大人に成長するのと同時に…
診てもらう先生も
子どもから大人の専門家に変わること
子どもの心臓の
専門の先生
(小児循環器科医)
大人の心臓の
専門の先生
(循環器内科医)
主治医が変わる時(場合によっては病院を変わる時)は、必ず主治医同士で、病気について、今まで行った治療、現在の病状、今後起こりうる続発症などについて、詳しい紹介状を作って伝えます。大人の専門の先生は、親ではなく患者さん本人と話します。最初は少し戸惑うこともあるかも知れませんが、自分のことを新しい主治医に知ってもらうようによく話をして、困っていることや気になることは自分で聞いてみましょう。また、小児循環器科の先生に診てもらっている頃から、小学校高学年ぐらいからは、親ではなく、子どもが主治医の先生と話し、自分の症状を説明したり、質問をしたりするようにしましょう。
現在、日本全国で、子どもの先天性心疾患の専門家と、大人の心臓病の専門家が協力して、大人になった先天性心疾患を診ることができる病院や専門家を増やしています。認定されている病院や専門家は下記のホームページで確認してください。認定された病院では、心臓病の専門家だけでなく、いろんな科の医師、看護師、臨床工学技士、理学療法士、臨床心理士などたくさんの職種が、大人になった先天性心疾患の患者さんを、専門の「チーム」で支えられるように取り組んでいます。
2.ずっと病院にかからなければいけないの?
ほとんどの手術は2〜3歳までに終わるため、手術をした記憶がほとんど残りません。そのため、成長して大きくなった時に、特に症状がなく元気だと「どうして病院に行かなければならないんだろう?」と疑問に思うかもしれません。でも、ほとんどの心臓病は完全に治ったわけではなく、何十年か経ってから、以前行った手術の影響で何か問題が出てくることがあります。その時に、適切なタイミングで、適切な治療を受けることがとても重要です。
詳しくは「なぜ定期受診が必要?」を読んでください。
あなたにとって最もよい治療法を、
主治医の先生とよく相談して決めましょう。
最終更新日:2022.08.16